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血液や尿検査のほかに排尿後、膀胱に残っている尿量をはかる残尿測定や膀胱機能検査などがあります。たとえば、膀胱圧内圧が低く、膀胱の容量が増え残尿が多いと弛緩性ということになります。
治療はどちらのタイプでも出来るだけ正常な状態に近づけることであり、すなわち具体的には排尿間隔は2時間以上、尿失禁がなく、残尿も100ml以下を目標とします。
薬物療法としては、痙性の場合の特徴である蓄尿機能の障害には、排尿筋の異常収縮を抑える薬として抗コリン剤などが、尿道の抵抗を高める薬として交感神経を刺激する薬や抗うつ剤の一種が使用されます。
排出障害(これは弛緩性のみならず痙性の場合でもみられます)には排尿筋の収縮率を高める薬としてコリン作用薬や抗コリンエステラーゼ剤などが、尿道の抵抗を弱める薬として交感神経遮断薬の一種や筋弛緩剤などが用いられます。このような薬剤による治療だけでは不充分な場合、手や腹圧による膀胱訓練、カテーテルによる導尿、さらに神経ブロックや手術などの方法もあります。
以前は治療の主目的が腎臓の保護で、腎不全の予防とその治療で、ただそのためだけでこれに尽きていました。しかし、近年は腎不全の予防は当たり前で、しかも人工透析が発達していますので腎不全に対しても対処できるようになったことなどから、患者さんの生活の質の向上(quality of life)を目指した治療法が一番となっています。 |
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