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神経因性膀胱
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人体図 膀胱
/ 膀胱について

排尿障害が起こります

男女膀胱部位

尿は膀胱と尿道がうまく働いて排泄されます。これらを働かせるためには、働けという命令を伝える神経がしっかりしていないとうまく働きません。この神経が病気になったり、けがをしたりして排尿がうまくできなくなった場合を神経因性膀胱(機能麻痺)といいます。 この排尿障害は嚥下(えんげ)性肺炎、褥創(じょくそう=床ずれ)とともに神経疾患の3大合併症と言われており、放置すると尿路感染や腎機能障害などを引き起こすことも多く、重大な症状の1つです。


・神経因性膀胱は大きく上位型と下位型に分かれます

仙髄の排尿反射中枢よりも中枢側に病巣がある場合を上位型といいます。その反対に仙髄の排尿反射中枢よりも末梢の異常の場合に下位型といいます。

・上位型(痙性神経因性膀胱)

膀胱の持つ蓄尿機能の機能が障害され膀胱の容量は減少し、1日尿量も減少します。すなわち膀胱は刺激され過敏な状態となり1日の排尿回数は10回以上と頻尿になり、尿意は切迫し辛抱ができなくなって失禁もみられます。さらに尿道括約筋も収縮し、出口が閉まることにより排出機能も障害されると排尿に時間がかかり残尿もみられるようになります。 
また、膀胱の内圧が上がるため、膀胱から尿管へと尿が逆流しやすく、腎盂炎を繰り返したり水腎症を起こしたりと、腎機能障害もきたしやすくなります。このような状態は、脳血管障害、パーキンソン病、多発性硬化症、脊髄損傷などでみられます。

・下位型(弛緩性神経因性膀胱)

主に排出機能の障害が起こり、膀胱は緩んだまま、ただの袋のような状態になります。排尿困難があり、その容量も600ml以上に増え、尿意も感じられなくなってしまいます。膀胱からあふれ出るようになると失禁してしまいますが、排尿しても膀胱内には多量の残尿がみられ、膀胱炎を起こしやすくなります。このような状態は糖尿病、骨盤外傷などに伴う脊髄損傷などで見られます。なおこの2つを比較した場合、一般には痙性よりも弛緩性の方が合併症も少なく管理がしやすいといわれております。


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