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まずは水分摂取の経過観察から


5mm前後のものであれば、まず水分摂取、運動および内服治療により自然に石が出ることを待ちます。痛みに対しては鎮痛剤の内服や坐薬を用います。それよりも大きい場合や経過を見ていてもなかなか出てこない結石に関しては破砕治療を行う必要があります。

 手術療法

 体外衝撃波結石破砕術
  
ESWL(Extracorporeal shock wave lithotripsy

現在最もよく行われる破砕治療です。これはお腹の切開や内視鏡などは用いずに破砕する方法です。一般的に2cm以下の結石に適し、機種によっては鎮痛剤を使用するだけで施行可能です。衝撃波によって破砕された結石は、砂状となって尿と共に自然流出されます。全ての結石の破砕が一回で終了する訳ではなく、数回の破砕を要することがあります。
合併症として、砕石後血尿がみられますが、普通は数日内に消失します。また、微熱や腰痛を訴える方もありますが、大半は鎮痛解熱剤のみで消失されます。当院では主に日帰りで行っていますが、血尿・発熱・疼痛症状が強い場合には入院が必要になることもあります。

体外衝撃波結石破砕術

・手術治療の流れ

1)
治療室で破砕台に乗り、胸に心電図をつけ血圧計を巻き点滴します。


2) レントゲンをとり、衝撃波で破砕します。所要時間は結石の大きさ・硬さなどによりますが、約1〜2時間の予定です。


3) 実施中、痛みが出てきた場合は痛み止めを服用しますので、医師・看護婦に伝えていただきます。


4) 終了後、椅子または徒歩で医師または看護師といっしょに外来へ戻ります。


5) 外来に戻り、1時間の安静を保ち痛みや排尿(血尿)の状態を観察して医師の診察後特に問題なければ帰宅となります。


適応症例の範囲内でも結石の種類・部位によっては完全に破砕されないことがあります。その場合、治療に要した費用はお返しできないことになっておりますのでご留意下さい。ESWLは手術に該当します。生命保険等の手術給付の対象となる場合があります。




 経尿道的破砕術
  
Transurethral ureterolithotrpsy

尿道から尿管内視鏡を挿入して直接石を見ながら衝撃波やレーザーで破砕する方法です。尿管内で長期にとどまっている結石あるいは体外衝撃波で破砕が困難な結石に対し行います。手術に際して、麻酔(腰椎、時に全身)が必要です。合併症は尿管損傷(穿孔、断裂)、出血、感染、術後尿管狭窄などがあります。



 経皮的腎結石破砕術
  
Percutaneous nephrolithotripsy

2cm以上の腎臓結石に対して行う手術です。前述の体外衝撃波や経尿道的破砕では破砕後自然に出てくるのを待つのですが、この手術では砕いて取り出すことができます。大きな結石を体外衝撃波で砕くのも良いのですが、その分複数回の治療を必要とし、治療期間も長くなりその間の合併症(腎盂腎炎など)発生率が高くなります。そのため、そのため1度の治療である程度結石を除去した方がよいケース−サンゴ状結石、結石より下部の尿路が狭まってしまった(狭窄と言います)ケースなど−には本術式が勧められます。手術は全身麻酔で行います。腰から直接腎臓に1cm程度の穴を作成し内視鏡で破砕します。砕いたものは筒の中を通して取り出します。全部除去できない場合には追加治療として再度手術あるいは体外衝撃波を行う場合があります。(内視鏡手術の図)



 開放手術(腎切石術、腎盂切石術、尿管切石術)

腎臓や尿管を切開して行う治療です。現在は1)〜3)の治療で効果があるため、現在はほとんど行われていません。


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