日本では、前立腺がんの診断に核磁気共鳴画像(MRI)が使われることは一般的ではありません。当科では、前立腺がんの疑いがある場合に値が上昇する血清PSA値が4ng/mL以上の患者さんに対して、MRIにより得られた情報と経直腸的前立腺超音波検査(TURS)の融合画像をもちいて、前立腺を立体的に捉え、正確に標的を生検する方法“核磁気共鳴画像-経直腸的超音波画像 融合画像ガイド下前立腺生検”により、ピンポイントでがんに針を刺すことができる、いわば標的生検を行っています。
MRI-TRUS融合画像ガイド下生検に使用している
最先端生検システムBioJet®システム
MRI-TRUS融合画像ガイド下生検では、2次元、および3次元画像ガイド下に標的から正確に組織を採取し、
その場所を記録します。
私たちが、この方法で生検を始めたのは2013年で、これまでに850名以上の患者さんの診断を行ってきました。従来の生検と比較して、有意に癌検出精度が高まり、見逃しが少なくなったほか、これまで困難といわれてきた癌の場所が診断できるようになったことが特長です。
この生検技術は、私たちの臨床成績にもとづいて、2016年2月からは、厚生労働省から先進医療Aとして承認され、現在ではその有用性にもとづいて、日本で18施設が実施するまで普及しています。
同じ生検を実施している施設の先生方と