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腎臓は背中の背骨をはさんで左右一つずつあります。高さ的には大体、腰のやや上の方に位置しています。そら豆のような形をしていて、通常大きさはその人の握りこぶし位です。その働きは、大きく分けて3つあります。一つは血液によって運ばれる老廃物の処理です。腎臓には大動脈から1分間に1200mlもの大量の血液が流れ込みます。その血液をろ過することで血液中の老廃物を除去しています。
人の血液全体の量が5000ml前後ですから、4〜5分に一回くらいは腎臓の中を血液は通過する計算になります。二つ目は、体の水分や、電解質、pHの調節です。体の水分の量が多くなれば、たくさん尿が出ますし、水分の量が少なければ尿の量は減ります。また、電解質といって血液中のナトリウム、カリウムなどの濃度は生物が生きてゆくうえで非常に重要です。カリウムなどが異常に高くなると突然心臓が止まることもあります。そうならないように電解質の調節を行なっています。最近、食べ物などで体が酸性に傾くとかアルカリ食品などという言葉をよく耳にしますが、食物の摂取によって、必ず酸性の物質が体内で産生されます。
これを調節するところがないと体はどんどん酸性になってしまいますが、そうならないのは腎臓が酸性アルカリ性の調節を絶えず行なっているからです。そういった意味で腎は人が生きてゆく上で体のバランスを常に一定に保つ重要な役割を担っています。3つ目は腎臓もいくつかのホルモンを分泌しています。一つはエリスロポエチンという、非常に長い名前のホルモンを分泌しています。これは赤血球をふやすように体に働きかけるホルモンです。他には、血圧を調整するホルモンなどを分泌しています。
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